健康保険のしくみ
健康保険に加入できる人
本人:被保険者
健康保険に加入している本人を被保険者といいます。法人の事業所では、常時1人以上、個人の経営する事業所(強制適用とならないものを除く)では5人以上の従業員のいる会社や工場、銀行、商店など健康保険法で定められた事業所に働く人びとは、本人の意思にかかわらずだれもが加入することになっています。
就職した人はその日に被保険者の資格を取得し、退職または死亡した日の翌日に被保険者の資格を失います。
また、75歳になると在職中でも健康保険の被保険者資格を失い、後期高齢者医療制度に加入することになっています。
家族:被扶養者
健康保険では、被保険者だけでなく、被保険者に扶養されている家族にも保険給付を行います。この家族のことを被扶養者といいますが、被扶養者の範囲は法律で決められています。
被扶養者の範囲
被扶養者となれる範囲は、三親等以内の親族です。さらに、同居・別居により、条件が異なります。
| 被保険者と同居でも別居でもよい人 | 被保険者と同居が条件の人 |
|---|---|
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収入の基準
被扶養者となるためには、「主として被保険者の収入によって生活していること」が必要で、同居・別居の有無、年間収入により判断されます。
| 同居している場合 | 対象者の年収が130万円未満(対象者(被保険者の配偶者を除く)が19歳以上23歳未満※の場合は150万円未満、60歳以上または障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者は180万円未満)で、被保険者の収入の2分の1未満であること |
|---|---|
| 別居している場合 | 対象者の年収が130万円未満(対象者(被保険者の配偶者を除く)が19歳以上23歳未満※の場合は150万円未満、60歳以上または障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者は180万円未満)で、かつ、その額が被保険者からの仕送額より少ないこと |
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※19歳以上23歳未満の年齢要件の判定については、所得税法上の取り扱いと同様、その年の12月31日時点の年齢で判定いたします。
(注:年齢は民法上、誕生日の前日に加算されるため、誕生日が1月1日の方は12月31日において年齢が加算されることにご留意ください。)
年収は、扶養認定時には扶養認定日より先1年間の見込み年収で考えますが、その後、継続して扶養している場合は1月から12月の年収で判断します。年収が130万円(180万)を超えると判明した時点で扶養脱退の手続きをお願いします。
事前申告なく、収入超過が判明した場合は、事由が発覚した日に遡って加入資格を取り消し、当該期間に健保組合が支払った医療費と給付金を返還していただくことになります。
対象者が雇用保険(失業給付)を受給するとき
雇用保険(失業給付)は退職してから受給するまでに待期期間および給付制限期間がありますが、この期間は、扶養認定条件を満たしている場合は、被扶養者として認定することができます。実際に失業給付を受給している間は、失業給付の日額が3,612円未満(60歳以上または障害年金受給の方は5,000円未満)の場合は、継続して認定が可能です。しかし、日額3,612円以上(60歳以上または障害年金受給の方は5,000円以上)の場合は受給が始まる時に扶養から外す手続きが必要です。
雇用保険(失業給付)受給中の取り扱い
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※注意
失業給付の日額が3,612円(60歳以上または障害年金受給の方は5,000円)以上の場合で、扶養から外す届出が遅れた場合は、受給開始日まで遡って扶養資格を取り消します。
医療費や保険給付費など健康保険組合負担分を返還していただくことになりますので、ご注意願います。
自営業者の扶養認定について
自営業者とは、自ら事業を経営することを選択した者であり、社会通念上、経済的に自立した存在であり、自ら生計を維持することを選択した者となり、国民健康保険の加入が原則となります。
ただし、事業経営者であるのに被保険者の支援がなければ生活できないといった場合は、事業内容や収入状況を十分に確認したうえで、被扶養者として認定されることがあります。
また、経営状況の悪化など、収入減少が一時的である場合は、被扶養者として認められません。一時的でなく、継続して被保険者の収入により生活の大半を維持されている方が認定対象となります。
自営業者の収入
自営業者の収入とは、確定申告における所得金額ではなく、事業で得た売上金額から売上原価と直接的必要経費(その費用なしには事業が成り立たない最小限の経費)を差し引いたものです。
税法上の経費や当健保組合が直接的必要経費として認められないと判断したものを差し引くことはできません。(必要経費についての詳細はページ下の直接的必要経費をご確認ください。)
- 自営業の収入【売上金額 -(売上原価 + 直接的必要経費)】
- ※自営業の収入とは別に恒常的な収入(給与収入、年金、恩給等)がある場合は、控除前の総額を自営業の収入に加算して年収と考えます。
「直接的必要経費」として認められる経費・認められない経費
税法における特別控除や青色申告等の基礎控除は、実際の経費ではありませんので、直接的必要経費として認められません。 必要経費とは税法上で認められている経費とは異なり、その費用なしに事業が成り立たない経費をさします。
- 「○」直接的必要経費として認められる経費
- 「×」直接的必要経費として認められない経費
| 科目 | 認定可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 売上(仕入)原価 | ○ | |
| 給料賃金 | × | |
| 外注工賃 | × | |
| 減価償却費 | × | |
| 貸倒金 | × | |
| 地代家賃 | ○ | 自宅住所と事業所の所在地が同一の場合は経費として認められません |
| 利子割引料 | × | |
| 租税公課 | × | |
| 荷造運賃 | × | |
| 水道光熱費 | ○ | 自宅住所と事業所の所在地が同一の場合は経費として認められません |
| 旅費交通費 | × | |
| 通信費 | × | |
| 広告宣伝費 | × | |
| 接待交際費 | × | |
| 損害保険料 | × | |
| 修繕費 | ○ | 自宅住所と事業所の所在地が同一の場合は経費として認められません |
| 消耗品費 | × | |
| 福利厚生費 | × | |
| 雑費 | × |
| 健保組合への提出書類 | 注意事項 |
|---|---|
| ① 確定申告書 第一表・第二表の控え | 税務署の受付印のあるもの(電子申請の場合は受付日時の記載があるもの) |
| ② 収支内訳書(損益計算書)の控え |
別居の場合の最低仕送り額
下記の金額以上の仕送り額を毎月定期的に行い、かつ扶養家族の月当たりの収入額より被保険者からの仕送り額が多いこと。
最低仕送り額
| 1人の場合 | 65,000円(月額) |
|---|---|
| 2人の場合 | 100,000円(月額) |
| 3人の場合 | 135,000円(月額) |
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仕送りは金融機関を使って毎月定期的に行なう必要があり、現金による受け渡しは認めません。
扶養認定申請時は、金融機関が発行する振込依頼書、送金証明書、利用明細票、現金書留(控)などを提出し、過去3ヶ月にわたり月々送金していることを証明する必要があります。 - 被保険者の単身赴任や子供の進学による別居、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、身体(知的)障害者更生施設への入所の場合は、仕送りの証明の提出は免除しています。
被扶養者認定における国内居住要件
2020年4月より、健康保険の被扶養者認定の要件に、国内居住要件が追加されました。日本国内に住所を有していない場合、2020年4月1日以降は、原則として被扶養者の認定はされません(海外留学等、一定の例外あり)。
国内居住要件の考え方
住民基本台帳に住民登録されているかどうか(住民票があるかどうか)で判断し、住民票が日本国内にある方は原則、国内居住要件を満たすものとされます。
- ※住民票が日本国内にあっても、海外で就労している等、明らかに日本での居住実態がないことが判明した場合は、国内居住要件を満たさないと判断されます。
国内居住要件の例外
外国に一時的に留学している学生等、海外居住であっても日本国内に生活の基礎があると認められる場合は、例外として国内居住要件を満たすこととされます。
【国内居住要件の例外となる場合】
- ①外国において留学をする学生
- ②外国に赴任する被保険者に同行する者
- ③観光、保養またはボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
- ④被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者
- ⑤①から④までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者
国内居住者であっても、被扶養者と認められない場合
医療滞在ビザで来日した方、観光・保養を目的としたロングステイビザで来日した方については、国内居住であっても被扶養者として認定されません。
経過措置
国内居住要件の追加により被扶養者資格を喪失する方が、施行日(2020年4月1日)時点で国内の医療機関に入院している場合、経過措置として、入院期間中は資格が継続されます。
パート・アルバイトの方の社会保険適用拡大
1週の所定労働時間および1月の労働日数が常時雇用者の4分の3以上ある場合は被保険者となります。また、4分の3未満の場合でも下記の5つの要件をすべて満たした場合、健康保険の被保険者となります。
被扶養者であるご家族が勤務先で健康保険に加入する場合は、すみやかに扶養削除の手続きをしてください。
- (1)1週の所定労働時間が20時間以上であること
- (2)雇用期間が2ヵ月を超えて見込まれること
- (3)月額賃金が8.8万円以上であること
- (4)学生でないこと
- (5)常時51人以上の従業員を使用する企業に勤めていること
(労使合意した従業員数50人以下の会社に勤める人も対象になります。)
もっと詳しく
- 被保険者・被扶養者が75歳になった場合開く
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2008年4月から後期高齢者医療制度が創設され、75歳以上(寝たきり等の場合は65歳以上)の人はすべて後期高齢者医療制度に加入することになりました。
したがって、被保険者が75歳になった場合、被保険者が健康保険組合の加入資格を失いますので、被扶養者も同様に健康保険の加入資格を失い、他の医療保険に加入しなければならなくなります。また、被扶養者自身が75歳になった場合も、後期高齢者医療制度の加入者となりますので、健康保険組合の加入資格を失います。